あなたのからだはあなたの食べたものでできている

こんにちは。受付・栄養カウンセラーの鈴木由利です。
今日はオーソモレキュラー栄養療法の食事のポイントについていくつかお話したいと思います。

私たちの体は、細胞一つひとつに至るまで、自分で食べたものでできています。
食べるものを変えることで、私たちはいくらでも心と体の調子を整えることができるのです。


まずは、私たち「そのもの」ともいえるたんぱく質(=プロテイン:語源はギリシャ語で“第一”)の確保は最優先であり、ライフステージ、ライフスタイル、ストレスの有無、消化吸収能力など、個々人に合わせた必要量や形態、摂取するタイミングを考慮することが重要です。
たんぱく質を多く含む食品は、肉、魚介、卵、大豆製品などで、それらの栄養素をバランスよくしっかりと摂取することは身体の最重要な構成材料や心身の安定を図る脳内神経伝達物質の材料を確保するだけでなく、身体の機能を整合していくための代謝改善・抗酸化・抗糖化のもつながります。
たんぱく質が“第一”であることは古代も現代も同じです。たんぱく質の摂取を第一に心がけましょう。
食事で十分に摂取しきれないたんぱく質やビタミン、ミネラルは良質なサプリメントを上手に活用して補うことも可能です。
小食の方は、間食を積極的にとって、エネルギーとたんぱく質を補いましょう。
おすすめの間食は、ナッツ類、炒り大豆、ゆで卵、チーズ、無糖ヨーグルト、食べる煮干し、焼き海苔、枝豆など。(肥満がある方は、チーズ、ナッツ類は控えめに。エネルギー過多になります)


【アンチエイジングに大切なもの】

老化とは、たんぱく質の合成よりも、壊れたり小さくなったりする量が増えてしまうこと。
次は、アンチエイジングに必要なポイントを3つお伝えします。

1「たんぱく質の合成能力を上げること」に他ならないのです。
われわれ人間の体は、1日に200gから250gくらいのたんぱく質の入れ替えを行っています。
一方食べ物から供給されるたんぱく質は1日60g程度。その差分は体の中で再利用しているということです。体はそうしてまで若さを保とうとしているのです。
ですから材料であるたんぱく質をどんどん供給すれば若返りにつながるのですが、どんなに供給しても、これまでと同じ質のたんぱく質を作れなければ、筋肉が減ったり、シミやシワができたり、背が縮んだりして老化が進みます。
ですからアンチエイジングを望むなら、壊されたたんぱく質をいかに効率よく再利用し、いい状態に保つかが勝負ということです。

2「体をさびつかせない」栄養をとること。
活性酸素を減らし、酸化を防ぐための栄養(グルタチオン、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンなど)をとることです。
グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からできており、特にシステインの働きがとても大事です。
システインが多く含まれる食品の代表は玉ねぎ、にんにく、くるみです。

3「体をコゲつかせない」栄養をとること。
糖化も酸化と同じように体の美貌を損なわせ、シミやシワ、骨がもろくなるなどの悪影響を及ぼします。
糖化を考える場合には、ブドウ糖より果物などに多く含まれる果糖がより強く影響します。
美容にいいからと、アンチエイジング目的でフルーツを食べているとしたら、むしろ糖化を促進してしまうことになります。
食べるなら糖度の低い柑橘系のフルーツを食後に少量にすることがよいでしょう。
コラーゲンの材料は、たんぱく質・鉄・ビタミンCです。
コラーゲンは体のたんぱく質の1/3を占めている重要なたんぱく質です。細胞と細胞をつなぎ合わせて、骨、皮膚、血管、歯などのあらゆるところで活躍しています。
歯茎の約60%がコラーゲンです。象牙質もコラーゲンでできています。


【気になる症状へのおすすめ食材】

張りのある肌には「鶏肉の水炊き」、
シミをなかったことにするなら「赤身肉とレバー」、
シワを予防するなら「鮭」「いくら」、
若返りホルモンを手に入たければ「とろろ」、
更年期障害には「納豆味噌汁」、
薄毛・抜け毛にも「納豆」、
老眼・無関心には「サバ水煮缶」「アジの開き」
簡単に手に入る食品ばかりですので、すぐに実践できます。


【食べ順について】

「たんぱく質ファースト」が血糖値を急上昇させずにコントロールすることができます。
食事のはじめからしっかりとたんぱく質を食べ、アマニオイルやエゴマ油などの良質な脂質をたっぷりとかけた野菜にレモンを絞り、わかめなどの海藻も盛りつけたサラダをその後に食べること。
これであれば食事の最後に少量の糖質(炭水化物)を食べたとしても、血糖値の上昇はとても緩やかになるため、血糖値の変動によるさまざまな症状も緩和され、パフォーマンスも維持されます。


【コレステロールについて】

コレステロール値は高いと危険だということばかりが強調されていますが、実は低すぎるのも非常に危険です。
コレステロールは細胞膜やホルモンの大切な材料です。低い方は、だるい、疲れやすいなどといった不定愁訴が多くなりがちです。
また血清コレステロール値が280mg/dl以上の群より180mg/dl以下の群の方の方が死亡リスクが高いというデータもあります。
健康に生活するために適したコレステロール値は200~240mg/dlです。
体内のコレステロールの80%は、肝臓で合成されたものです。
通常は、食材のコレステロールが直接ヒトの血清コレステロール値に反映するものではありません。(個人差がありますのでかならず医師に相談してください)


【不足しがちな栄養素『鉄』『ビタミンB群』『ビタミンD』についてチェックしてみてください】

『鉄』

このような方は「鉄」が不足しているかも
□生理のある女性
□発育期のお子様
□疲れやすい
□妊娠、授乳中の女性
□スポーツが好きな方
□“たちくらみ”や“めまい”がある方
□頭痛になりやすい
□階段を上ると疲れる
□よくアザができる
□のどの不快感がある

「鉄」は、様々な代謝に関わる重要なミネラルです。
不足すると鉄欠乏性貧血となり、その症状は、全身倦怠感、頭痛、めまい、眠気、抑うつ症状、耳鳴り、食欲不振、集中力の低下、皮膚・粘膜の不調、動悸・息切れなど多岐にわたります。

一日に摂りたい目安量 鉄27mg
鶏レバーなら約330g 鶏レバー串1本100g×3
かつおなら約1400g かつお1皿100g×14
ほうれん草なら約1300g おひたし1皿100g×13

『ビタミンB群』

このような方は「ビタミンB群」が不足しているかも
□疲れやすい
□よく夢を見る
□夜中に目が覚める
□音や光に敏感である
□集中力が続かない
□イライラする
□甘いものや炭水化物をよく摂る
□口内炎、口角炎ができやすい
□皮膚のトラブルが多い
□肩こりが治らない

「ビタミンB群」は、私たちがエネルギーをつくるのに欠かせない栄養素です。
どれかひとつだけでは効果を発揮しにくく、お互いに助け合いながら働くため、一緒に摂る(複合体)が望ましいかたちです。
動物性食品に広く存在し、普通の日本人の食生活では不足しないと考えられがちですが、実際は多くの潜在性欠乏者が存在することが考えられます。

一日に摂りたい目安量 ビタミンB1・B6 100mg
豚ひれ肉なら約8.2kg ヒレカツ1皿100g×82皿
牛レバーなら約11.2kg レバニラ炒め1皿100g×112皿
うなぎの蒲焼きなら約13.3kg 1串100g×133皿
めばちまぐろなら約21.7kg 刺身1皿100g×217皿

『ビタミンD』

このような方は「ビタミンD」が不足しているかも
□室内で過ごすことが多い
□日焼けに気をつけている
□アレルギーで悩んでいる
□肥満気味である
□妊娠を希望している
□夜型中心の生活である
□肌荒れで悩んでいる
□風邪をひきやすい
□魚介類をあまり食べない
□キノコ類をあまり食べない

「ビタミンD]は脂溶性ビタミンの一種で、天然に含まれる食品が非常に少なく、現代人に不足しがちな栄養素です。
カルシウムの吸収を助けることから、骨や歯の維持に欠かせないです。
近年では、免疫機能調節や血糖調整作用、妊娠の成立や精神疾患に関わることも判明しており、さまざまな疾患や症状の抑うつ症状の予防・改善が期待されています。

一日に摂りたい目安量 ビタミンD 5,000IU
焼き鮭なら約320g 1切れ100g×3.2切れ
うなぎの蒲焼なら約650g 1串100g×6.5串
牛レバーなら約10.7kg 1串100g×107串


いかがでしたか?
意外に食事で栄養を補おうとすると、大変なことが見て取れたと思います。

そこで、当院ではオーソモレキュラー栄養療法といって、血液検査をし、足りない栄養素を調べ、栄養相談を行います。内科医のセカンドオピニオンによる、サプリメントレポートもお渡ししています。上記のチェックがひとつでも当てはまった方は、一度血液検査を受けてください。ご予約はHPよりご確認ください。

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