【院長 野上宏明の描く歯科医療の未来 〜28CliniC〜】第5回:心の健康

28CliniC 院長の野上です。

健康の定義とは何か?
辞書には

けん‐こう〔‐カウ〕【健康】 [名・形動]

  1. 異状があるかないかという面からみた、からだの状態。「健康がすぐれない」「健康優良児」
  2. からだに悪いところがなく、丈夫なこと。また、そのさま。「健康を保つ」「健康な肉体」
  3. 精神の働きやものの考え方が正常なこと。また、そのさま。健全。「健康な考え方」「健康な笑い」

とあります。

では、世界保健機関 WHO(World Health Organization)が定義する健康とはどんな状態でしょうか。

「健康とは、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか虚弱でないということではない」(Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity)

単に身体が元気という健康というだけではなく心も健全な状態が健康と定義されています。

しかし、昨年からのコロナ禍での自粛生活など、現代のストレス社会では健康な状態を作るまたは、維持するのはとても困難なのはないかと思います。

28CliniCの4つのコンセプトである、食・咀嚼・消化吸収・筋力を適切に管理維持すると身体の健康を作ることができます。

これは自分自身が健康になりたい!という意思と行動力があれば手に入れやすいと考えています。

ですのでライザップのような食事と運動を極限まで管理すれば3ヶ月で10kg痩せて健康的な肉体を手に入れることも可能です。

しかし心の健康はどうでしょうか。

辞書の3つ目にありますが、

3. 精神の働きやものの考え方が正常なこと。また、そのさま。健全。

とあります。

人として生きていくうえで過去に起きた出来事や、家族、会社、学校など社会での人間関係などが原因で精神的にダメージを受けることも少なくないと思います。その場合は心を健康に保つことが難しくなります。

私自身は人間関係や過去の出来事で苦労したという経験はあまりないのですが、1968年にウイリアム・グラッサー博士が提唱した選択理論心理学という心理学に出会い人との関わりの仕方や過去の捉え方、考え方のコツを知りとても生きやすくなりました。

まず、選択理論心理学の基本的な考えは『他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。』という前提で人と関わる、過去には囚われないということです。

変えられないものに執着せず、変えることができることにフォーカスすることで幸せに生きていくということです。

人間関係において、とても大事な人間関係においても『致命的な7つの習慣』といわれる人間関係を破壊する関わりをすることなく『身につけたい7つの習慣』で関わることで良好な人間関係を構築することができます。

『致命的な7つの習慣』
・批判する
・責める
・文句を言う
・ガミガミ言う
・怒る
・脅す
・罰する
・目先の褒美でつる

この背景には

・相手の欠点を見つける
・自分が合ってる、相手が間違っている
・相手を変えることができる

と言う前提に立っています。この関わりでは人は離れていってしまいます。

『身につけたい7つの習慣』
・傾聴する
・支援する
・励ます
・尊敬する
・信頼する
・受容する
・意見の違いについて交渉する

という7つの習慣をもとに相手の欲求充足を満たしつつこちらの言うことも受け入れてもらう。という具合いです。

より良い人間関係を構築するためには『致命的な7つの習慣』を手放し『身につけたい7つの習慣』を手に入れることによって身近な人と仲良く過ごすことができるようになります。

唐突ですが、質問です。

『あなたの生きる目的は何ですか?』と聞かれたら何て答えますか?

・健康でいたい
・愛する人と一緒に居たい
・お金を稼ぎたい
・趣味を満喫したい
・自由でいたい

色々な意見があると思います。

でもシンプルに人は『幸せ』になるために生きているのではないでしょうか。

選択理論では幸せについても定義されています。

欲求を満たすことが幸せであるということです。

人間の欲求には
・生存
・愛、所属
・力
・自由
・楽しみ

という5つの欲求があり、欲求の偏り、強さは人によりまちまちですが、これらを満たすことができてくると人は幸せと感じるということです。ですので、自分の欲求を知り、足りない部分を補い、他人の変えられない部分に振り回されず、過去に囚われることなく生活していくことができれば幸せになることができます。

人は幸せになるために生きています。

その幸せを手に入れるためには体と心の健康は最重要項目と私たちは考えており28CliniCでは身体の健康は4つのコンセプトの実践、心の健康は家族間、スタッフ間、患者の皆さんとの関わりは選択理論心理学をベースに構築されています。

とても残念なニュースですがコロナ禍で未成年の自殺者が増加しているというニュースが取り上げられました。

自殺の原因は身体の健康問題が50%、心の健康の問題が28%です。約8割が身体と心の健康問題です。

歯科医院は健康な方が定期的に通う数少ない診療科です。そのクリニックが食事・口腔管理・消化吸収・筋力・選択理論心理学の知識・技術を提供することができたら莫大に増えた医療費、自殺の問題やいじめ、差別などが少しでも減少するのではないかと28CliniCでは共感していただけるクリニックにこの取り組みのコンサルティング事業もスタートさせています。

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