28CliniCメディカルフィットネスとは

皆様こんにちは。
28CliniC柔道整復師の鈴木晃太と申します。
いつもブログを御覧いただきありがとうございます。
今回のテーマはメディカルフィットネスについてです。

皆様はメディカルフィットネスという施設をご存じでしょうか。
初めて聞いた、詳しくはご存知ないという方のために、以下の4つについてまとめてみましたので、最後まで読んでいただければ光栄です。

  1. メディカルフィットネスとは
  2. 何故、28CliniCにメディカルフィットネスがあるのか
  3. 予防について
  4. 予防のために私たちが提供していること

1.メディカルフィットネスとは

メディカルフィットネスとは、医療機関が提供する医学的根拠や客観的データを基に運動メニューの提案・実施にあたるサポートをするフィットネスです。

予防のためのフィットネスであるため、怪我をしたり病気になる前に身体の使い方や運動習慣を変えていくことを目的に、トレーナーが運動メニューの提案や実施のサポートをします。

28CliniCでは理学療法士や柔道整復師、鍼灸師等の国家資格保有のトレーナーが運動指導しているのですが、なぜ、国家資格保有のトレーナーが運動指導やサポートをするのかというと、意味は主に2つあります。

  1. 健康・不健康を問わず、その方の健康状態に見合った運動プログラムを提供し、安全かつ効果的に楽しく運動に取り組める
  2. 怪我をする前に自分の身体に相応しい予防対策ができる

従来は怪我や病気になった際、初めて専門のスタッフに出会うものです。
しかし、痛みが出てからでは予防になりません。
もっと早く自分自身の体の状態を把握しておけば対策できたかもしれません。

2010年に発表された『腰痛の疫学』※1という論文では腰痛の再発率について調べたところ、6カ月以内であれば20%、1年以内であれば24~33%、3年以内では70%の再発が報告されています。
腰痛は痛みを取るだけでなく再発予防に注目しなければなりません。

今は、健康であっても、以前腰痛になった方や、そうでない健康な方も予防がとても大切です。

2.何故、28CliniCにメディカルフィットネスがあるのか

結論から申しますと、併設する歯科医師や歯科衛生士と協力することで、治療期間中に生じる不調の予防・改善ができるからです。

①治療期間中に生じる不調の予防と改善

歯科の治療を進めていくと、歯を削る、抜く、噛み合わせなども変わるため、顎の骨の位置も変化し、それに伴って顎の骨のみならず、身体全体も順応しようと変化します。
身体全体が変わるということは姿勢が変わるため、今までと違う姿勢に慣れない期間は、頭痛や肩こりなど今まで感じたことのなかった不調を感じることもあります。

他の歯科医院では、歯科治療が終わって噛み合わせや骨の位置が定まればそういった不調も当然治まるということになるのですが、治療期間は歯列矯正等では約1年以上かかる場合もあるため、その間ずっと「不調」の状態が続くということでもあります。

そこで、28CliniCでは歯科の治療期間中に感じる不調にも対応し、なるべく快適に過ごすことができるようサポートしています。

具体的には、診療ユニットに横になっている状態で、トレーナーが首や肩周りの筋肉の状態をみたり、ゆるめるためのストレッチと口腔機能療法を実施しています。
口腔機能療法とは、お口まわりの筋肉のバランスを整えて鼻呼吸を促し、本来の歯並びを取り戻すことにつなげる療法のことをいいます。
普段は舌、お口の中の筋肉、お口周りの筋肉とそれに関係する筋肉や骨の位置へのアプローチを歯科のドクターや歯科衛生士と協力して行っています。
当院では、その療法を行うことにより機能が改善され、結果的に笑顔がより素敵になる、思わず笑顔になるという意味を込めてスマイルトレーニング(通称:スマトレ)と呼んでいます。
スマトレに関して詳しく知りたい方は、こちらのリンクをご参照ください。歯科医師考案!スマイルトレーニングであなたの笑顔をプロデュース | 28CliniC BLOG

スマトレの目的は大きく分けて三つだと考えます。

  1. 再矯正を防ぐ
  2. 舌、お口周りの筋力を保つことで全身の姿勢も整える
  3. 免疫力向上
図1

矯正中はワイヤーやマウスピースなどの力を用いて歯を動かしますが、矯正終了後に装置を外すと力はなくなり歯は自由になります。
装置を使って歯並びを矯正しても、舌の位置や歯を押し出す力、咀嚼、飲み込みなどの機能が以前と変わらない場合、当然ながら歯並びは矯正前の歯並びに戻りやすくなります。再度、矯正の必要がないように、スマトレを受ける方が多く、歯科医師も推奨しています。

舌の位置がなぜ重要なのか、スマトレについてもう少し詳しくご紹介します。

口呼吸をしている方は、舌の機能が低下している場合があります。
そもそも、舌の在るべき正しい位置はどこかご存知でしょうか?本来、舌は上顎についているべきなのですが、口呼吸の際は気道確保のため舌は下顎側に下がってしまいます。
常時口呼吸を行っている場合は、そもそも舌を上に挙げる必要がなくなるため、次第に舌機能は低下するのです。
実は、舌機能の低下は様々な二次症状を起こすため、その予防をするために舌の機能改善や維持が重要なのです。
口呼吸の場合、鼻という天然のフィルターを介さず肺に酸素を送ります。酸素と一緒に菌も送られて身体に何かしらのリスクを伴う場合もあります。

口呼吸のリスクは年齢によって変わります。(下記図2参照)
特に老齢期の症状である誤嚥性肺炎は、平成29年度の死因第6位となっているほど多くの方に見られる症状となっており、高齢者の肺炎のうち約7割以上が誤嚥性肺炎というデータもあります。※2

図2

3.予防について

舌を含めたお口周りの筋肉は、肩や首などの筋肉とつながっているので全身の筋肉ともつながっており、筋肉は骨をささえ、姿勢を作ります。

階段を上るときや、朝顔を洗うときに痛みを感じるときは、まるである日突然その症状が起こったと感じる場合がほとんどですが、実はその前から身体は何らかのサインを出していることがほとんどです。

全身を動かす習慣がない場合は、、動かす習慣のない関節から動かしづらくなり、やがては猫背になる、顎や頭が前に出るなどがありますが、これも立派なサインなのです。
例えば、猫背は背中・胸周りの筋肉の固さや身体バランスが原因で生じているため、そのまま運動すれば、遅かれ早かれ身体のどこかに痛みがでてきますし、運動中に怪我をしてしまうリスクが高くなるため、事前のチェックを入念に行ってからその患者さんの身体の状態に合わせた運動メニューを提案し、安全に実施できるようサポートしています。

4.予防のために私たちが提供していること

メディカルフィットネスをご利用なさる患者さん全員に、体組成計といって体重、脂肪率の測定のみならず、筋肉量、上半身と下半身、左右の筋肉量のバランス、水分比等を見られるインボディという測定器を使用することと、理学療法士監修の姿勢分析専用アプリを使用して、前後左右の姿勢・スクワットなどの動き・筋肉の柔軟性のチェックをします。
運動の質の低下、怪我のリスクが増大してしまうのを防ぐため、特に身体の使い方は注意深くチェックします。
先ほど紹介した姿勢・身体の使い方・体組成のチェックに合わせて日常生活、一日の活動量などを考慮してそのデータを元に身体に合わせたメニュー、回数、時間を提案いたします。

私の願いは運動者人口の拡大です。
メタボリック症候群などの生活習慣病を基盤として心臓や血管の病気が発あると考えられているため、生活習慣病の予防には運動が必要不可欠です。
身体を動かすということは最終的に国の医療費の削減にも繋がることでしょう。

こちらを読んでいただいたことをきっかけに、ご自身の身体と向き合ってみませんか。

28CliniCメディカルフィットネストレーナー 鈴木 晃太

※1参考文献 Hoy D,Brooks P,Blyth F,Buchbinder R.The Epidemiology of low back pain. Best Pract Res Clin Rheumatol. 2010
Dec;24(6):769-81.doi:10.1016/j.berh.2010.10.002.PMID:21665125

※2情報元 老年医学会雑誌第50巻4号 (jst.go.jp)

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